第10回「事業交流会」 地域の環境を活かしたまちづくり

2011-05-15 21:31

イノベーション・クーリエ 第10回「事業交流会」
テーマ:地域の環境を活かしたまちづくり

民活機構は平成23年4月26日(火)、イノベーション・クーリエ 第10回「事業交流会」を全国町村会館で開催した。

今回のテーマは「地域の環境を活かしたまちづくり」と題し、「健康」をキーワードに、民活機構が推し進める産・学・官連携のまちづくりイノベーションについて話し合った。東日本での未曾有の震災直後ということもあり、この震災を教訓に、産・学・官がどのように協力し、地域再生を遂行するかについての意見交換も行った。

イノベーション・クーリエ事業推進委員会委員長で政策研究大学院大学教授の黒川清先生のご挨拶を口切りに、東京大学政策ビジョン研究センター教授の坂田一郎先生の基調講演、そして東京大学政策ビジョン研究センター シニア・リサーチャーの橋本正洋先生をコーディネーターとする産・学・官を代表する方々によるパネルディスカッションを行った。会場には、100人を超える参加者の方々にお集まりいただき、実り多き事業交流会となった。

ご挨拶
黒川清 / 政策研究大学院大学教授、「イノベーション・クーリエ」事業推進委員会委員長

冒頭の黒川先生はご挨拶で、「グローバルに情報が行き来し、世界中の人々と通信可能な現代だからこそ、各自治体自身がそれぞれの持つ特性を、世界にアピールしなければならない。数多くの通信ツールがある今こそ、真の観光立国となるべく情報をグローバルに発信すべきである」ことを強調された。また、「震災後の日本の対応はリアルタイムで世界に届き、世界中が注目している。今後、技術力を含めた日本の再生力で世界の信頼を築くのか失うのか、それは今後の日本の対応次第である」と締めくくられた。

基調講演
地域の環境を活かしたまちづくりイノベーション
坂田一郎 / 東京大学政策ビジョン研究センター教授

坂田先生の基調講演では、高齢化し、人々の交流が世界へと拡大する社会の中で、安全を確保しながら持続可能なまちづくりとはどうあるべきかについて、ご提案をいただいた。今後の社会とまちづくりには、

  1. 再生可能エネルギー等の導入による持続可能で頑健な社会
  2. 高齢化率30%以上でも快適に暮らせる社会
  3. 大規模な震災や災害等にも耐えうる安心・安全な社会
  4. 人々のつながりの溝を埋めるべくウエブを有効活用した社会
  5. 京都や飛騨高山を例に、増加する人流の溜まり場となるような都市

の5つの要素が重要だとされた。これらに加え、地域内の高齢者が孤立しないように考えられた住宅設計や移動手段、市民活動への参加と雇用についても話された。

パネルディスカッション…地域の特性を活かす

パネルディスカッションは、坂田先生、熊本県阿蘇市の佐藤義興市長、静岡県伊豆市の菊地豊市長、社団法人日本ウォーキング協会の村山友宏会長、アサヒビール株式会社営業統括本部東北担当の山本慎也氏、橋本先生の皆さんで行われた。

 佐藤義興 / 熊本県阿蘇市長
阿蘇市の佐藤市長は、現在実施されている阿蘇市の雄大な自然を活かした、「健康づくりの郷(さと)」事業を説明。「東日本大震災からの復興支援」として10月に開催される、秋の阿蘇の自然資源を満喫できるウォーキング大会についても話された。

 菊地豊 / 静岡県伊豆市長
伊豆市の菊地市長は、伊豆市が誇る自然資源の他にスポーツ施設や文化施設、また安心な食材について紹介。こうした恵まれた環境(天城の材木、高原、風、川、駿河湾等)の中で地産地消の生活ができる市を目指し、「心地よい生活」の送れる地域として国内外にアピールしたいと述べられた。

 村山友宏 / 社団法人日本ウオーキング協会会長
日本ウォーキング協会の村山会長からは、歩きたくなる道とまちへの提案があった。まちが生活の「場」として、安心・安全が確保されていることはもちろんのこと、快適性・遊歩性・界隈性・地域個性・文化性、さらに美観や品格といった「魅力」あるものであるべきだと述べられ、その重要性を強調された。

 山本慎也 / アサヒビール株式会社営業統括本部東北担当
アサヒビール株式会社東北担当の山本氏は、食を通じての産業支援・地域支援についてお話された。これまでの地場農産品を活用したまちおこしの具体的な取り組みを紹介し、民間企業の立場からまちおこし成功の指針について話された。

 橋本正洋 / 東京大学政策ビジョン研究センター シニア・リサーチャー
橋本先生は、日本の地域「新生」イノベーションについて説明し、未曾有の危機に対応する今世紀最大事業であり、最大目標である日本復興についての具体的な指針を紹介。非常時と心得て、平時を維持するための予算等の制約を時限的に極力取り払い、手続きを簡素化してスピードアップする、必要な戦略とそれに伴う業務を階層化し、それぞれの役割分担を明らかにして、超短期、短期、中期目標を明確化する、階層間・セクター間の連携を保持する仕組みを構築する、現場レベルの政策遂行には、現場の力を最大限活かすよう大幅な権限・財源委譲を検討すべきなどの提案が示された。


3時間という長い時間であったが、大変充実した交流会となった。民活機構としては、産・学・官連携で地域の環境を活かしたまちづくりを推し進め、「健康づくりの郷(さと)」をキーワードに各地域をネットワーク化し、これまで以上に情報発信を強化し、「健康」をテーマにした各地域の発展に貢献していく。

※事業交流会の内容は、採録してイノベーション・クーリエ誌第7号に掲載します。

Category: 事業
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