平成22年度記念セミナー「まちづくりとイノベーション戦略」
2010-07-13 13:03

平成22年6月8日に東京国際フォーラムで東京大学政策ビジョン研究センターの坂田一郎教授をお迎えして「まちづくりとイノベーション戦略」というテーマで(社)民間活力開発機構主催の講演が行われた。会場には民間企業や自治体の関係者を含む70名以上が集まり、活気のある講演会となった。
坂田教授の講演は、高齢社会で創出される様々な新規事業の可能性をテーマにしたものだった。以下、講演内容を簡単にご紹介する。
かつては、地方の高齢化、過疎化が問題になっていたが、これからの高齢化は都市部で発生する。高齢社会で世界に先んじている日本が、世界を巻き込むイノベーションを創造して、世界に発信する好機が到来しているのである。
そのためには、高齢者を標準とした社会のための改革が必要である。高齢者標準とは、今ある標準を高齢者のために下げるだけでなく、様々な技術的保管の可能性を含むものだ。
例をあげると、新しい設計のシニア住宅、ITを活用した遠隔見守りサービス、地域循環型居住の仲介サービス、オンデマンドバス、パーソナルモビリティ、ロボット車いすなどである。
高齢者標準の社会はこれまでの社会とは異なると考えるべきであり、実現のためには、民間企業によるハード、ソフトへの投資や、社会的制度の改革が必要になる。日本でもし、高齢化問題をイノベーションで解決することができれば、韓国、シンガポール、中国など高齢化の進んでいる海外に横展開をすることが可能になるのである。
すでに具体的に実証実験が進んでいる場所として、東京大学が中心になって行っている「アクティブ・エイジング都市」実証実験がある。場所は千葉県柏市で、学だけでなく産、公が一体となって実験を進めているものだ。
さらに、徳島県では糖尿病の治療、予防、手術後の経過の改善のために、クリニカルデータの高度活用が進められようとしている。大量のデータの情報収集によって、治療や予防に必要なエビデンスを明確にしようとするものだ。
上記のような実験を行う場所は、コミュニティである。実験が成功するためには、産、学、公だけでなくそこに住む人々の協力が欠かせない。
講演後、会場の参加者との質疑応答が行われ、会場で配られたアンケート用紙には参加者からの積極的な要望が寄せられた。

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