ESRI国際シンポジウム2010 次代の社会・経済・科学技術政策-サービス・イノベーションは日本経済を救う救世主になるか

2010-03-09 16:55

内閣府経済社会研究所(ESRI)
http://www.esri.go.jp/

3月3日東京大学小柴ホールで内閣府経済社会研究所(ESRI)主催による、「次代の社会・経済・科学技術政策―サービス・イノベーションは日本経済を救う救世主になるか」が開催された。

ESRI国際シンポジウム2010の様子

冒頭、内閣府経済社会総合研究所川原田信市総括政策研究官による主催者挨拶があり、その後東京大学政策ビジョン研究センター兼工学研究科の坂田一郎教授、東京大学大学院数理科学研究科楠岡成雄教授、東京大学政策ビジョン研究センター教授でマサチューセッツ工科大学スローン経営大学院客員教授の秋山昌範氏、香港科学技術大学のAntonio K.W.Lau研究員が基調講演を行った。

最初の基調講演に立った坂田教授は、ネットワーク分析や自然言語処理などの情報技術を利用した学術俯瞰の手法についてスピーチを行った。現在、社会に発信される知識の量が激増しており、個人やグループが膨大な量の論文に目を通して、全体像を描くことが不意可能な状況になっている。そこで、情報技術を活用することにより、知の世界の俯瞰図を描いて研究の体系化や関連付けを行い、技術開発戦略や経営戦略に役立てようというものである。

坂田一郎教授

休憩をはさんで、坂田教授の司会でパネルディスカッションが行われた。冒頭坂田教授がそれぞれの基調講演のまとめを行った。それによると、楠岡教授の講演では、基礎科学である数学によってファイナンス理論の適用範囲が拡大された。それによって様々なリスクの転嫁が可能になり、国民や企業の間のリスク選好の間を調整して社会をハッピーにしたが、同時にリスクの総量を増やした。

秋山教授の講演では、サービス・イノベーションが医療の分野で安心・安全を高め、相互不信の解消につながった。また、経済的には無駄な薬の破棄コストを下げ、限られた資源配分の最適化をもたらした。

Lau研究員の講演では、サプライチェーンマネジメントが直接的には企業のマネジメントの効率化をもたらし、さらにはサステナビリティ、コンプライアンスに対する対応力を高めた。また、サプライチェーンのインテグレーションが進んでくると、企業内の部分最適から社会的な全体最適につながる可能性があるとのことだった。

その後、パネリストの間で活発な意見交換が行われ、最後に会場からの質問に答えて、シンポジウムは盛況のうちに終了した。

see also

ESRI国際シンポジウム2010 http://www.simul-conf.com/esri2010sip/

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