日本工学アカデミー主催シンポジウム「リーダー人材をいかに育成するか」
2009-05-07 17:57
日本工学アカデミー
Engineering Academy of Japan Inc.(EAJ)
http://www.eaj.or.jp/
「科学技術に強いリーダー候補の育成」について提言
現在、日本は、政治・産業・政府・教育等、様々な分野で変革を余儀なくされている。この変革期において、明確なビジョンを持つリーダーの存在が必要不可欠であることには異論をはさむ余地がないであろう。しかしながら、日本の公教育では、戦後長い間リーダーの育成・教育はタブー視されてきた。
社団法人日本工学アカデミー(*)政策委員会は、リーダーの育成、特に、急速にグローバル化が進むイノベーション・システムに不可欠な科学技術に強いリーダーの育成が急務であるとし、人材タスクフォースを設け、約2年間に渡り、求められるリーダー像とその教育方法について検討を進めてきた。
シンポジウム「リーダー人材をいかに育成するか」では、リーダー育成論議のレベルアップを図るため、「リーダーはなぜ必要か」「リーダー候補の持つべき資質は何か」「リーダー候補をいかなる方法で育成すべきか」という視点から提言を行った。
* 社団法人日本工学アカデミー (The Engineering Academy of Japan)
1987年に設立された内閣府所管の社団法人。日本の工学および科学技術全般の発展に寄与することを目的として、工学・科学技術分野ならびに関連分野において、顕著な実績と広範な識見を持った指導的立場の会員により結成された、非営利、公益を目的とした民間団体。
プログラム・レポート
開会挨拶
柘植綾夫 氏 (政策委員会委員長 芝浦工大学長 元総合科学技術会議議員)
政治・経済・教育の変革期にある現在の日本にはイノベーションを生み出すリーダーが必要であり、高等教育にリーダー候補育成の教育システムが必要であることを強調された。
日本のイノベーションとリーダー人材
長島昭 氏 (中部大学教授)
日本の未来は優れた人材にかかっているとし、初等・中等教育から大学・大学院、企業の人材育成システムまで、産学官の協力と、資源の選択と集中によって、戦略的にリーダー候補育成システムを構築することが必須であると指摘。また、その実現のためには、以下の5つの課題があると提言された。
- リーダー候補人材群育成の必要性とそのための政策課題
- 人材の適正な分布を考えた工学技術系人材の確保
- 科学技術のリーダー候補者への具体的教育内容と教育方法
- 傑出したリーダー像の顕彰
- 科学技術リーダー人材の国際視点に立つ検討の必要性
小泉信三の教育実践
塩澤修平 氏 (慶應大学経済学部長)
昭和8年(1933年)から昭和22年(1947年)まで慶應義塾塾長を務めた小泉信三氏が定めた「塾長訓示」をもとに、現代の知的リーダーに求められる資質を提唱された。
特別講演:日本のリーダー人材をいかに育成するか
葛西敬之 氏 (JR東海会長)
ご自身の体験談を交えながら、必要とされるリーダー像について語られた。特に、イノベーションを成功させる「大戦略のリーダーシップ」の資質として、以下のように述べられた。
大局俯瞰・長期展望・現実直視のもと、合理性・正当性のある方向決定を下し、不動の意志を貫く。また、人間を見る能力を磨き、適所適材に人材を置く。このような資質があれば、高い確率で成功に導けるリーダーといえる。あとは、運。
パネル討論
講演者3名、旭岡勝義 氏(政策委員会全体幹事)
リーダー人材をいかに育成すべきかについて活発な議論が展開された。
トピックス
塩澤修平, 旭岡勝義, 柘植綾夫, 葛西敬之, 長島昭
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