世界をリードする日本の膜技術
2008-12-10 16:11
旭化成ケミカルズ株式会社
http://www.asahi-kasei.co.jp/membrane/
優れた技術を活かした水フロンティア事業を展開
旭化成ケミカルズ株式会社の水処理用ろ過膜(商標「マイクローザ」®は、効率性、精度、耐久性に優れた特徴があり、500カ所以上の水処理施設で採用されている。世界市場で占める割合は約20%にも上る。同社は水フロンティア事業として、この優れた製品を活かした水処理サービス事業を世界各地で展開している。その中でも特筆すべき事業として、中国での廃水リサイクルサービスと、国内での災害時の応急給水拠点(ライフスポット)事業を紹介する。
廃水リサイクルサービス事業が深刻な課題を解決
中国における製造業は、3つの水問題に直面している。同社の廃水リサイクルサービスは、これらの切実な問題を高い技術力で解決に導く。
1. 環境規制への対応
中国は第11次5カ年計画で工業用水の30%削減を目標に掲げている。広東省の諸都市では特定業種の工場新増設時に60%以上の廃水リサイクルが義務付けられ、江蘇省蘇州市でも同様に50%以上の廃水リサイクルが求められる。この問題に対し、旭化成ケミカルズ取締役常務執行役員の小宮強介氏は「廃水リサイクルサービスは最新膜ろ過技術で高いリサイクル率を達成し、これらの規制をクリアできる」と語る。

中国における廃水リサイクルサービスの例
2. 高品質な工業用水の確保
中国では水源汚染で水道水(自来水)水質が悪化しており、水道水を自社処理(例えば純水処理)して使う際の処理負荷が増している。中には、純水設備を増設しないと必要な純水が得られず操業に影響するケースもある。同社の廃水リサイクルサービスは膜ろ過技術を導入し、リサイクル水として純水を供給できる。これによって、純水供給源を自前で確保、増強が可能になる。
3. 用水コストの削減
水道水の水質悪化は社内処理コストを押し上げている。同社の廃水リサイクルサービスは、リサイクル水をどこにどの水質で供給すれば、用水コストを最大限削減できるか提案するのが特徴。
さらに、これまで蓄積してきた膜ろ過技術を用い、廃水リサイクル設備を自ら設計、建設、運転し、良質なリサイクル水を同社の責任で供給する廃水リサイクルサービス事業を中国で展開している。「水に関する諸問題の解決に貢献するのが当社のミッションである」と小宮氏は水問題解決に向けた意気込みを語る。
災害時応急給水拠点事業(ライフスポット)
近年、日本を襲った幾多の震災で、上水道ライフラインが破断された。阪神淡路大震災では上水道の復旧までに約3カ月間、新潟県中越沖地震でも、柏崎市で19日間かかるなど、断水の長期化が大きな問題になった。これに対し、自治体の防災計画の多くは、災害時に備蓄水を頼りにしているのが現状である。一方、この破断を予防する耐震化には、1km当たり1億円ともいわれる莫大な費用がかかり、公共投資縮減の社会的環境の中で完備するのは現実的に難しい。
同社はこの問題に対して、深井戸など持続的な水源の水を膜などで高度処理し、安全な水を供給し続ける仕組みを、民間企業と自治体の協力で整備することを提案している。
導入企業の土地に、旭化成ケミカルズが同社資産の水処理設備を設置し、普段は高度処理された地下水を提供する。上水道代より安い対価での処理サービスにより、導入企業はコストダウンの恩恵を受ける。一方、自治体の水道事業収入は低減するが、災害時の応急給水拠点(ライフスポット)として機能する防災協定を締結し、自治体が防災計画の中に織り込むことで、自治体は配管耐震化や災害時応急給水にかけるコストの軽減が可能となる。
「民間企業には、自社の事業復興計画(BCP)の基盤としての飲料水確保に加え、災害時に近隣住民に無償で応急給水を行って、CSR(企業の社会的責任)を果たそうとする意識が高まりつつある」(小宮氏)。
旭化成守山支社は、本設備を導入し、災害時の応急給水に関する防災協定を守山市と締結した。民間企業と地域、自治体が一体となって減災に取り組む画期的なモデルとして注目されている。

防災協定調印後、守山市長と握手する旭化成守山支社長(右)

旭化成守山支社のライフスポット
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